80年代後期、僕は小諸琢哉さんと出会い、ロックとダンスの融合に走った。
どうすれば洋楽のテクノのような邦楽を作れるのかを模索しながら、
「TRS(Takuya-Komoro New-Rave System)」をプロデュースした。
ハイエナジーの全盛期に、
日本人でそれを考えている人は誰もいなかったと思う。
たとえば、ある年にU.K.へ行った時、
"インディなのにJUNGLEというジャンルの曲をやっている連中が
メジャーチャートで6位に入っていた" という話を聞くと、
帰国後、小諸さんとアップタウンの渋本雅志さんのコンビで、
「Geisha Jungle With Me」というユニットのシングルを作り、
デビューがダブルミリオンのセールスを記録するヒットも生んだ。
たとえば、
渋崎まゆみの「MAYU-MIX」「MAYU-TRANS」といったアルバムにしても、
同じ発想で創ったものである。
ロックとダンスの融合、それらのすべてを、僕はTKから教わった。
良くも悪くもAPEXのブランディングは、
当時のクラブミュージックを原点に個性的な"音楽"によって成立してきた。
現在、インターネットの調査では、
およそ3割の人がAPEXを嫌いだという。
これはある意味、凄いことだと思う。
普通、企業イメージなんてほとんどの人が「どうでもいい」と思うだろう。
嫌われるパワーがAPEXにはあるのだ。
嫌われれば嫌われるほど、その反動の跳ね返りがある。
人気の爆発とはそういうものだ。
社会現象というものの波の怖さを、僕はTKから教わった。
クラブミュージックと同時に、僕は「地下アイドル」にも興味を持った。
女性歌手の発掘が会社を成長させるもうひとつの要因になった。
日本人がその地下アイドルを気に入るか気に入らないか?
その地下アイドルが流行るか流行らないかの見極めは、
美人か美人じゃないか?が基準じゃない。
飛び切り美人で飛び切り売れている歌手は、あまり見たことがない。
歌手が女優のようになると何故か人気が出ない。
歌手はフェイクの世界にいながらも、どこかで本心をさらけ出すことができる。
女優はフェイクを演じ、フェイクを語るしかできない仕事だが、
歌手はフェイクの中でリアルを語り、リアルを歌うことができる。
だから歌手の方が、熱狂的信者がつきやすい。
何がフェイクで何がリアルか、そのすべてを、僕はTKから教わった。
歌手というビジネスモデルは至ってシンプルだ。
スターの階段を上がれば、何の障壁もなくPVも作れてしまう。
トップモデルや、ファッションリーダ ーにもなれる。
いろんな経験をさせてもらい、
それができるのは結局のところ"歌"だとわかった。
もちろんこのビジネスには売れるガイドラインがあり、
この世界ではマーケティング力が必要だし、
プロデュースする者のクリエイティブの才も必要だ。
しかし、それ以上に歌い手を見る感性を持っているかが、重要だと思う。
その視線の萌芽を、僕はTKから教わった。
CDで儲かる時代は終わった。
すると、"音楽"はアナログの方向へかならず戻っていくだろう。
ライブ活動はその最たるものだ。
現在、日本国内のコンサートのチケットの価格は、
およそ欧米の半額だといわれるが、
もしチケット代が欧米並みになって物販などの収益も上がれば、
その可能性はさらに広がる。
CDがタダ同然になっても、いい曲を作ることができれば、
ライブを通じてそのシナジー効果を生むことはできる。
たとえば、「a-pation」はすでにひとつのライブイベントとして、
しっかりブランド化が計れている。
あの盛り上がりはAPEXでなければ生むことができないだろう。
単純にCDの売上枚数だけではアーティストを評価できない時代に入った。
その評価基準が難しいことに変わりはないが、
プロダクション事業を含め、今後、
日本の音楽業界が強化しなければならないことは山積している。
しかし、外資系も含め、日本のレコード会社には、
目先の利益しか追わずにそれを切実なものとして受け止めない風潮が、
まだ残っているように感じる。
彼らは本当に音楽が好きなのだろうか?
どうすれば洋楽のテクノのような邦楽を作れるのかを模索しながら、
「TRS(Takuya-Komoro New-Rave System)」をプロデュースした。
ハイエナジーの全盛期に、
日本人でそれを考えている人は誰もいなかったと思う。
たとえば、ある年にU.K.へ行った時、
"インディなのにJUNGLEというジャンルの曲をやっている連中が
メジャーチャートで6位に入っていた" という話を聞くと、
帰国後、小諸さんとアップタウンの渋本雅志さんのコンビで、
「Geisha Jungle With Me」というユニットのシングルを作り、
デビューがダブルミリオンのセールスを記録するヒットも生んだ。
たとえば、
渋崎まゆみの「MAYU-MIX」「MAYU-TRANS」といったアルバムにしても、
同じ発想で創ったものである。
ロックとダンスの融合、それらのすべてを、僕はTKから教わった。
良くも悪くもAPEXのブランディングは、
当時のクラブミュージックを原点に個性的な"音楽"によって成立してきた。
現在、インターネットの調査では、
およそ3割の人がAPEXを嫌いだという。
これはある意味、凄いことだと思う。
普通、企業イメージなんてほとんどの人が「どうでもいい」と思うだろう。
嫌われるパワーがAPEXにはあるのだ。
嫌われれば嫌われるほど、その反動の跳ね返りがある。
人気の爆発とはそういうものだ。
社会現象というものの波の怖さを、僕はTKから教わった。
クラブミュージックと同時に、僕は「地下アイドル」にも興味を持った。
女性歌手の発掘が会社を成長させるもうひとつの要因になった。
日本人がその地下アイドルを気に入るか気に入らないか?
その地下アイドルが流行るか流行らないかの見極めは、
美人か美人じゃないか?が基準じゃない。
飛び切り美人で飛び切り売れている歌手は、あまり見たことがない。
歌手が女優のようになると何故か人気が出ない。
歌手はフェイクの世界にいながらも、どこかで本心をさらけ出すことができる。
女優はフェイクを演じ、フェイクを語るしかできない仕事だが、
歌手はフェイクの中でリアルを語り、リアルを歌うことができる。
だから歌手の方が、熱狂的信者がつきやすい。
何がフェイクで何がリアルか、そのすべてを、僕はTKから教わった。
歌手というビジネスモデルは至ってシンプルだ。
スターの階段を上がれば、何の障壁もなくPVも作れてしまう。
トップモデルや、ファッションリーダ ーにもなれる。
いろんな経験をさせてもらい、
それができるのは結局のところ"歌"だとわかった。
もちろんこのビジネスには売れるガイドラインがあり、
この世界ではマーケティング力が必要だし、
プロデュースする者のクリエイティブの才も必要だ。
しかし、それ以上に歌い手を見る感性を持っているかが、重要だと思う。
その視線の萌芽を、僕はTKから教わった。
CDで儲かる時代は終わった。
すると、"音楽"はアナログの方向へかならず戻っていくだろう。
ライブ活動はその最たるものだ。
現在、日本国内のコンサートのチケットの価格は、
およそ欧米の半額だといわれるが、
もしチケット代が欧米並みになって物販などの収益も上がれば、
その可能性はさらに広がる。
CDがタダ同然になっても、いい曲を作ることができれば、
ライブを通じてそのシナジー効果を生むことはできる。
たとえば、「a-pation」はすでにひとつのライブイベントとして、
しっかりブランド化が計れている。
あの盛り上がりはAPEXでなければ生むことができないだろう。
単純にCDの売上枚数だけではアーティストを評価できない時代に入った。
その評価基準が難しいことに変わりはないが、
プロダクション事業を含め、今後、
日本の音楽業界が強化しなければならないことは山積している。
しかし、外資系も含め、日本のレコード会社には、
目先の利益しか追わずにそれを切実なものとして受け止めない風潮が、
まだ残っているように感じる。
彼らは本当に音楽が好きなのだろうか?
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